おはようございます。国際不動産エージェントManachanです。
私はいま、日本で宅建業者として収益物件の売買仲介を行い、日本人や外国人のお客様にサービスしています。そこで種銭をつくって、東南アジアやオセアニアを中心とする海外の不動産に投資しています。
日本国内に関しては、実需で買う不動産こそ「大手の会社が安心」という観念がありますが、収益不動産に関してはほぼ、「どこから買っても同じ」状況になっていると思います。私自身も、また不動産投資仲間も、物件そのものの収益性(立地や企画、賃貸適性や土地建物の資産価値等)は気にしても、「どの会社から買うか」はあまり気にしません。だからこそ、私みたいな弱小業者が、収益不動産の仲介で食っていけるわけで、有難いことですね。
ですが、私たち日本の投資家が海外の不動産を買う場合、同じモデルでは投資できません。物件自体が飛行機で何時間以上かかる遠隔地にあるうえ、言葉も法制度も税金も権利関係も商慣習も売買・賃貸プロセスも全てが日本と異なる…そんな場所で投資する以上、投資収益自体が、「現地パートナー」の働きに大きく左右されてしまう面があります。
「海外不動産は、何を買うかより、誰から買うかが大事」という言葉がありますが、現時点では、特に新興国においては、その言葉の通りだと思います。現地の不動産事情に通暁し、契約まわり、銀行口座開設、入居づけ、現地デベロッパーや管理会社との調整、トラブル対応など、投資家の立場に立って代行してくれる業者の働きなくして、海外不動産投資の成功は難しい。
私は英語中国語はじめ、いろんな言葉ができるし、海外で10年以上不動産投資して経験もそれなりにありますけど、それでも、日本で忙しい仕事をしながら、海外物件に関するもろもろの作業に時間かけてられないので、対価を払って現地業者にサポートお願いして「時間を買って」ますし、今後もそうするつもりです。
とはいえ、実際にはいろんな問題が起こります。なかでも大きなリスクは、「現地パートナーの心変わり」だったりします。
不動産投資・運営は、通常、数年~数十年の中長期にわたりますが、その間に、人間は変わってしまうものです。海外不動産で特によくあるパターンは、
1)最初は人を騙すような人じゃなかったのに、数年経つと、客の金を持ち逃げする等の悪事を働くようになる。
2)不動産仲介が思うほど儲からないと分かると、「やーめた」と言って、他の事業に力を入れ、不動産の仕事をおろそかにする。
1)に関しては、「お金が儲かりすぎて人変わり」するパターンと、「お金に困って人変わりするパターン」の両方あるように思います。身の丈にあわない大金が入ってしまうケース、逆に社員への給料支払いや生活に困ってしまうケース、いずれの状況も、意思を相当強く持たないと、身を亡ぼしてしまいますね。
2)に関しては、「不動産が好きなわけではなく、儲かりそうだから不動産を扱ってみた」人によくあるパターン。他業種からの参入組に特に多いですね。その業者にとって、「儲かる」ことが不動産をやる意味なわけで、「儲からない」場合、あるいは、「他のビジネスの方が儲かりそう」な場合は、にわかにモチベーションが下がってしまうのです。
私はアジア太平洋大家の会の代表として、これまで、世界各国の不動産を扱う業者さんと多数、付き合ってきましたし、今でもそうですが、信頼できる業者の見極めは非常に難しい。
2)に関しては、かなりの精度で見極められますよ。私自身、不動産が好きで好きでたまらない、三度のメシより好きな人間なので、話していれば、「あ、こいつ、不動産のこと好きじゃないんだな」というのは雰囲気で分かります。
1)に関しては、難しい。そもそも、業者さんが金に困ってない段階で接触するわけですし、セミナーやった後、2~3年後に金に困って人変わりするのか、あるいは俄か大金が入って人変わりするのか…そのことは、接触時点ではまず予測できません。
たいていは、セミナーやってしばらくして、「あっ、こいつ変だな」と勘づくことがあり、それが確信に変わったら、会員向けにメルマガで注意喚起したり、その業者のセミナー開催を中止したりしますが、私にできることは、それ位です。
人は変わるものですし、自分だって他人のことはいえません・・・その前提に立つと、「海外現地において、投資家の立場に立ってくれる有能なパートナーを、随時見つける能力や、良くないパートナーを切る勇気」、言い換えれば「パートナーの人変わりリスクをマネージするスキル」が大事なのかと思います。
これに関しては、私もまだ修行中です。まだ至らぬことは多々ありますが、引き続き頑張ります。