【IPAチャンネル】もと同時通訳が語る、英語リスニング上達法(鈴木vol.181)

日本のビジネスパーソンで、仕事で英語を使う必要に迫られる人は年々増えています。英語リスニングを上達させたい方は、きっと多いことでしょう。

リスニングの難しさは、相手がコミュニケーションの主導権を持つやり取りになるし、翻訳アプリも使いにくい音声の世界ゆえ、事前準備が難しく、結局「出たとこ勝負」になることです。相手の話す内容が、自分の頭のなかにある語彙のレパートリーにヒットすれば理解できるけど、ヒットしなければ手も足も出ないのがつらいところ。

私は昔、通訳の仕事をしていました。「ブースに入って同時通訳」の経験もあります。そのせいか、今でも相手の話す外国語を聞いて全部理解しなくちゃならないという、強いプレッシャーを自分に課すところがあります。プロの通訳なのに相手の言葉が分からないと、そもそも仕事にならないのです。

通訳にとって、相手の言うことが分からないのは「地獄」です。その状況を回避するために何をするかというと、とにかく事前準備をたくさんするんですね。会議の趣旨を理解することからはじまり、誰がどんな内容を話す可能性があるのか、専門用語も含めてどんな単語や言い回しを使う可能性があるのか、とにかく網羅して書きだす。知らない単語は当然ありますので、訳語も含めて事前に調べて、全部理解する。そこまでやって、通訳ブースという「戦場」に入り、片耳で話を聞きながら、マシンのように口から訳語を吐き出すのです。

通訳以外の仕事で、そこまでシビアでマニアックな英語リスニングを求められる場面は無いとは思いますが、それでも「相手の言うことを聴いて理解する」ための基本動作は同じはずです。

仕事で英語のリスニングを求められる場面があるなら、相手がどんな話をする可能性があるのかを想定して、事前学習をたくさんやる。分からない単語は調べておく。「準備」…その一言に尽きると思います。何事も慣れです。経験値を積めば、必ず上達しますし、小さな成功体験を積めばモチベーションも上がります。

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