【IPAチャンネル】(鈴木vol.97)辛口コメント炸裂!マレーシア不動産の話

2011~12年の日本で起こった、マレーシア不動産ブームは、前代未聞の勢いがありました。マレーシアのマンションを、日本人が一気に600戸も爆買いするような情景もありました。震災直後の先行き不透明感と、超円高がその背景にありました。

ですが、当時マレーシア不動産を投資目的で買った日本人のなかで、良い思いをしている人は少ないです。工期は遅れ、価値は上がらず、空室は埋まらず、よしんば入居がついても安すぎる家賃に泣く人も少なくありません。

本質的に、マレーシアは不動産投資に向かない国だと思います。理由は「単位面積あたりの家賃が安すぎること」、その一言に尽きます。首都クアラルンプール近郊や、シンガポールに隣接する都市ジョホールバルでは、専有面積120㎡もあるコンドミニアムの家賃が6万円程度ということが多い。㎡あたり賃料500円しかないわけです。

東南アジア他国の首都と比べても安い賃料が、なかなか上がっていきません。それは「コンドミニアム過剰供給」と「クルマ社会を前提とした郊外分散」という事情によります。要は都市集積の密度が低いのです。賃料が不動産価値の根拠である限り、マレーシア都市部では一般論として不動産価値も上がりにくい構造があります。
また、マレーシアの一人あたりGDPは、ここ8年ほど、米ドル換算で1万ドル前後で足踏みしており、経済成長が不動産価値を後押しする構造にもなっていません。
マレーシア不動産でキャピタルゲインを取りやすいセクターは、私の知る限り「土地付き戸建」か「ブランド価値のある高級コンドミニアム」位です。一般的なコンドミニアムだと賃貸経営も売却もレッドオーシャンになりやすいと言えます。

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