国境の街ジョホール今昔物語~Johor Bahru, Malaysia

こんばんは、国際不動産エージェントManachanです。9泊10日の東南アジア出張を終え、無事、日本に帰ってきました。ここ数日は、ミャンマーやマレーシアで、カレー・シチュー系のメシばっかり食ってました。日本に帰って居酒屋とか行くと、やっぱり美味しいですね♪
今回の日記は、「ジョホールバル」という、アジアの中でも強烈な個性を持つ都市について書きますね。
 
ジョホールバル(Johor Bahru)、サッカーファンなら一度は名前を聞いたことがある都市名ではないでしょうか・マレーシアの南端にあり、狭い海峡を挟んで隣国シンガポールと接する「国境の街」です。その特異な位置関係から、
・中国の深圳、珠海 (香港、マカオと接する街)
・メキシコのティファナ (米国と接する街)

等と並び称されることもある街ですね。
 
【シンガポールと目と鼻の先!】

 
島国・日本の人には、イメージつきにくいかもしれませんが、陸路の国境を超えると、実際、いろいろなものが、変わります。言語、民族、通貨、物価…等々。特に、経済レベルに差がある二か国の国境を越えて、「豊かな国」から「貧しい国」の側へ行くと、相当な違和感を感じるものです。たいてい、
「豊かな国」の人が、「貧しい国」に行く時は、ほぼフリーパス
「貧しい国」の人が、「豊かな国」に行く時は、厳しいビザ要件が課せられ、長蛇の列

 
1992年に、私は北米・中米を一人旅しましたが、アメリカ(サンディエゴ)からメキシコ(ティファナ)へ国境越えする際に見た情景は、まさにそれでした。鉄格子に囲まれたイミグレで、アメリカへ渡りたいメキシコ人(+中南米人)の長蛇の列が、1㎞くらい続いていました。一方、アメリカ人はクルマに乗ったまま、マクドのドライブスルーみたいに、悠然とメキシコ側に渡っていました。
さらに、メキシコからグアテマラの国境を超える時の「落差」もすごかった。メキシコでは近代的なグレイハウンドのバスが走ってましたが、グアテマラ側ではご臨終寸前のポンコツバスが待っていて、屋根に何十羽のニワトリを満載していました。国境の少年たちは、メキシコからやって来る客の荷物持ちなどをして、米ドルやメキシコペソの日銭を稼いでいました。
 
とはいえ、国境で異なる経済レベルの国が接するからこそ、お互いに刺激を与え合う面があるとも思います。特に、「貧しい国」側の政府やビジネス文化がまともなら、たいてい、「豊かな国」以上のスピードで経済発展しますね。
その良い例が、中国の深圳でしょうね。1988年、私がはじめて深圳に行ったときは、本当に何もなかった。駅前に何千人単位で、無為にたむろっている、夥しい数の中国人民労働者の姿だけが印象的でした。また、当時の深圳で脂っこい中国料理以外は食べられず、香港側に抜けてステーキを食った時、「これぞ文明の味だ!」と感動したものです。要は、国境(?)の両側でそこまで大きな落差があったわけですが…・ここ20~30年間、深圳の遂げた発展は、驚嘆すべきものです。
シンガポールとマレーシア(ジョホールバル)
の国境にも、似たようなドラマがありますね。今でこそ、両国の行き来は非常に簡単になりましたが、20年前は、米墨国境同様、「シンガポールに渡りたいマレーシア人の長蛇の列」が見られました。
 
シンガポールは、当時から裕福な大都会でしたが、ジョホールバル側に渡ると、そこには鉄道駅の周りに、埃っぽい、小さな街があるだけで、そこ以外は、ジャングルとパーム椰子の林しかありませんでした。
 
【昔から国境の独特な雰囲気がある街です】

 
あれから20年。確かに、ジョホールバルは大きく進化しました。隣国シンガポールの発展に支えられた面もありますが、今ではジョホール側は「イスカンダル・マレーシア」と呼ばれ、市街地には立派な駅ビル複合施設(JB Sentral)とショッピングセンターができ、高速道路網が整備され、かつてジャングルだった広大な「ヌサジャヤ地区」にコンドミニアムと商業施設が林立し、レゴランドが来て、英米のインターナショナルスクールが大挙進出するようになった…
昨日、久しぶりに、ジョホールバルを訪れ、その発展ぶりに驚嘆するとともに、「こりゃ、どう考えても、建物つくりすぎじゃないかな」とも思いました。
 
特に、絶賛開発中、ダンガベイ(Danga Bay)地区の、コンドミニアム9000戸の建設現場をみた時、「こんなに部屋つくって、誰が住むんだろう?」と思いました。そのうち、少なくとも数百戸は、日本人が買っていると聞きます。
 
【本当に大都市になるのか?ゴーストタウンになるのか?】


 
ジョホールバルは、深圳のように大人口を抱えた街ではありません。中国のように、安価な労働力が豊富にあるわけでもないし、雇用を大量に必要とする製造業で勝負する場所ではありません。
シンガポールの隣とはいえ、もともと人が住んでなかったエリアに、大量の近代施設をつくって、産業と人口を呼び込む、建設資金は中国や日本、アラビア湾岸地区からの投資で賄う…マレーシア政府の戦略は理解できますが、普通考えて、向こう数年間に一気に完成する何万戸、何十万戸の住居や商業施設に順調に入居がつくでしょうか?必ず、「勝ち組物件」と「負け組物件」に二極化するはずです。
この街のバラ色の将来に賭けて、プレビルド(=数年後に完成する予約販売物件)を買った日本人投資家や、販売業者のなかに、不動産の目利きがちゃんとできている人が、どれだけいるのでしょう?
 
私、ジョホールバルの街としての発展は底堅いと思います。5年後、10年後は、間違いなく、今よりは都市レベルはアップしているはず。この地の開発をプロデュースする、マレーシアとシンガポールの政府は、東南アジアで1、2位を争う賢い政府でもあります。
ただ、都市が発展することと、個別の不動産が儲かることは、全く別の問題です。立地や賃貸・売買需要をちゃんと見極めた上で、今後、どのタイミングでも賃貸に出せて、かつ利益を乗せて転売できるような物件を選んでいるのか?信頼と実績ある現地の管理会社を手配できるのか?その辺をちゃんと説明できる業者から買っているのか?
プレビルド売って、仲介手数料もらって、はいさよなら!みたいな業者は、時代遅れ。そんな売り方していたら、完成時に会社が存続していないリスクだって大きいでしょう。
 
不動産としての目利きができて、出口まで見据えたシナリオを描ける業者から買うことが、ジョホールバル成長の果実を手にする早道だと私は思います。
日本人と海外不動産の関係が、もっと良くなりますように…そんなことを考えさせられたジョホールバル訪問でした。
 
こちらの文章も、併せて読んでね。
2016年ジョホール不動産ショック
アジア新興国と不動産の良心

Translate »