中国のGDP(国内総生産)は、ここ30年で飛躍的な成長を遂げ、2010年に日本を抜いて世界第二位に
躍進。当時はトップを走る米国の50%以下でしたが、みるみるうちに差を詰め、2021年には米国の76%まで猛追。その当時は「米中逆転」を多くの人が予想していましたが、蓋を開けてみれば、
それがピークでした。ゼロコロナと不動産バブル崩壊、輸出不調で中国経済は失速、
2023年のGDPは対米国比64%まで落ち込みました。
2024年に入っても「米国好調、中国失速」のトレンドは変わりません。すでに中国の人口は減少局面に入り(米国は増加中)、予見できる将来において、米中逆転が起こる可能性は低くなりました。
なぜ中国は4倍以上の人口を持ちながら米国を追い抜けなかったのか?そこには中国が内包する根本的な
問題があると思います。中国が世界ナンバーワン、つまり覇権国の一角になるための要素のうち、
「ソフトパワー」(良い意味での影響力、国際的な信頼度、同盟国の数など)が圧倒的に欠けているのです。独裁政権であるがゆえの限界であるともいえます。