「日本でひと財産つくった人が、所得税や相続税の負担を逃れるために外国に移住するって、どうよ?」という、物議を醸しそうな話題について、私の考えを語ってみます。
今から10年ほど前、2011~12年にかけて、「キャピタルフライト(資産逃避)」という言葉が経済雑誌を賑わせ、富裕層や資産家の間で、ちょっとした日本脱出ブームになった時期がありました。
私は当時、海外不動産投資コミュニティを立ち上げていた関係で、本当にいろんな人から国外脱出の相談を受けていました。それだけでなく、「税金を一銭も払わず海外脱出したいから、現金の運び屋を手伝って欲しい」みたいな、違法行為に手を染める内容を頼まれたことが何度もあります。とにかく当時は、相談者のモラルやリテラシーが非常に低かったです。
で、私がどうしたかというと、租税回避目的で海外移住したい方の相談は、不動産購入以外の部分はほぼ断ってました。なぜなら、私は税金ごときで日本を捨てるみたいなことを言う人間を応援したくないんです。
別に、彼らが日本を出ていく選択をしてもいいですよ。個人の自由です。でも言葉の端々に、母国・日本をDisったり、日本に残る私みたいな人間をちょっと下にみたり…そんな言動をしたら、「道義的な問題」という、別の価値基準が立ち上がってくるのです。私は心のなかで、こんなことをつぶやいてました。
「ちょっと儲かったからといって、税金逃れで資産フライトかよ!だいいち、あんたがお金つくれたのは、日本にビジネスできる基盤があったからだろうが?」
「別に資産フライトしてもいいけどさ、でもそれって人さまに堂々と言えるような立派なことかよ?」
「そんな了見で出国して、シンガポールでもマレーシアでも行って、海外の洗礼浴びてきてみな。多少の金があっても、日本人なのに日本を誇れない奴は外国人に尊敬されねえから」
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