【IPAチャンネル】日本は移民社会にならない、江東区になる!~少し真面目に楽しく人口問題を考えよう(鈴木ソロ613回)

日本の総人口は、2008年をピークに減り続け、2022年末には、1億2500万人を割り込みました。同時に、外国籍住民の占める割合が年々増えています。ここ数年のトレンドは、「日本人(日本国籍者)が年間70~80万人ペースで減り」、「外国人が年間20万人ペースで増え、日本人減少分の1/3~1/4を補っている」構図です。

また、日本人の平均年齢が40代後半なのに対し、日本在住外国人の平均は30代前半と若く、女性比率が多く、その結果「日本国内で外国人のお母さんから生まれる子供」は年々増えています。

全国47都道府県中、2022年に人口増加したのは、東京都だけですが、内訳をみると、日本人が1万6千人減り、外国人が6万3千人増えることで、辛うじて人口増加を実現しています。同年、都内在住の日本人の出生数は9万1千人、死亡数は13万8千人、差引4万7千人の減少だったのに対し、外国人の出生数は3000人、死亡数は1100人と、差引1900人のプラス。出生死亡という意味でも、日本の人口は外国人定住者が支える構図になりつつあり、その結果、日本総人口における外国人比率は、年間0.2%ずつ増え、現在は2.3%近辺です。

東京都江東区は、日本籍と外国籍が共存する社会という意味では、おそらく最先端を走っています。外国人住民比率が6.6%(全国平均の約3倍)、中国・台湾籍の住民数においては全国自治体でトップです。そんな江東区で私は暮らしていますが、確かに、

・街に出て中国語を聞かない日は一日もない
・区内小中学校のクラスで外国籍児童が2~3人いるのは普通
・中国人の他、都心で働くインド人IT技術者ファミリーも多数居住

そんな意味で、私は日本の近未来を生きているのかもしれません。でもって、江東区で外国人住民の増加によって治安や風紀が悪化した感じは、しません。大多数の人は、一生懸命日本語を学び、日本のルールで暮らそうとしていますし、それ以前に、日本人も外国人も、江東区の住宅コストを払えないと住めませんので、同じ地域に暮らす人は国籍を問わず、生活水準が似通っているのです。

東京は公共交通が超発達しているので誰もが都心にアクセスできますし、外国人だけが隔離されたように集中居住するエリアも形成されにくい構造。外国籍住民がさらに増えても江東区では治安は崩れないと私は思います。

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