【IPAチャンネル】不動産視点でみるアメリカ人種問題の闇(鈴木ソロ523回)

アメリカという国が抱える重苦しい問題は「社会構造に人種差別がビルトインされていること」と思います。たとえば、不動産業者という立場でアメリカに関わっている私が見る景色はこんな感じです。

「どの都市に行っても美しく整備された裕福な住宅地は白人の住民が圧倒的に多く、貧困エリアの住宅地は黒人やヒスパニックが住んでいる。両者を比べると資産価値だけでなく、治安面や教育レベルでも恐ろしいほどの格差がある。つまり、居住するエリアによって社会階層が固定されている上に、学区とか固定資産税が、社会階層の再生産装置として機能している」

アメリカは基本的に小学校から高校まで入学試験がなく、多くの子供が学区内の公立学校に行く仕組みになっています。それらの学校の予算は、地域住民が納める固定資産税で賄われるのが基本です。だから裕福な住宅地にある公立学校は固定資産税の税収が潤沢で、寄付もたっぷり集まるからレベルの高い教育が受けられる。一方で貧困エリアの学校は動物園同然かそれ以下という状況も珍しくありません。

弊社が日本在住のお客様にアメリカの収益不動産を紹介する時、基本的に良い学区の戸建を選ぶことをおすすめしていますが、それはアメリカの階層社会のなかで勝ち組に投資しよう、勝ち組の白人がさらに豊かになることであなたもお金をつくれますよというのと同じことですが、

逆にこの社会システムで虐げられている側の人々を思うと、複雑な心境になることもあります。

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