【IPAチャンネル】課税と分配だけで格差是正できるの?~富裕層を知るビジネスマンの視点(鈴木vol.367)

今回の選挙戦の主要テーマの一つ、特に立憲共産党など左派野党が強調する「格差問題是正」について、普段、富裕層を相手にする日常業務の経験も踏まえて、私独自の視点でコメントします。

いまのお金持ちは、高給取りサラリーマンではありません。ビジネスオーナーであり、資産家です。国内外にいろんな資産を持ち、そこから収入を得ています。

そして、彼らの持つ資産は、サラリー以上のスピードで殖えていきます。今に始まったことではありません。トマ・ピケティ「21世紀の資本によれば」、過去200年間を通して、資産の殖えるスピードは平均で年率4.5%程度、給与の増えるスピードは平均で年率1%程度。資産を持つ者と持たざる者の間で、格差はどんどん開いていきます。

格差を強制的に是正する方策として、かつては「共産主義革命」がありましたが、いまの先進国で、それを選ぶ国はありません。私有財産と資本主義を前提として、主に税制を使って是正していくことになります。やり方は主に二つあります。

1)ストック:資産の取得、保有、売却や相続に対する課税強化
2)フロー:(資産や労働から得られた)所得に対する累進課税強化

ただ、それでも格差「是正」まではできません。抜け道は無数にあり、節税スキームがどんどん開発されています。極めて賢くて国際対応もできる税務・財務・資産運用専門家が、お金持ちに仕えて働きますので、彼らからお金をもっと取ろうにも、結局「厳しい頭脳戦」になります。

それをやる位なら、むしろ、金持ちが日本で気持ちよくお金を使い、かつ、それが雇用や地域社会の課題解決に使う方策を考えた方が生産的だと思います。

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