シラチャ商業戦争(?)‐ロビンソンvsイオンモール

こんばんは、国際不動産エージェントManachan@バンコク滞在中です。今回は、昨日不動産視察した「シラチャ」の話題でいきますね。
シラチャ(Sri Racha)は、タイ東部、チョンブリ県に属する中堅都市。重工業が盛んで、推計人口は26万人。バンコクからの距離は約120km・・・この町の名前が日本のメディアを賑わすようになったのは、ここ数年。タイの工業団地に駐在する日本人とその家族のベッドタウンとして、急速に発展してからです。
さほど大きくないシラチャの街に暮らす日本人の数は、約1万人といわれています。タイのなかではバンコクに次ぎ、二番目に日本人が集中している都市となり、2009年には日本人学校シラチャ校が開校しました。世界有数の日本人街と言ってもよいでしょう。
 
日本人生活者が増えれば、当然、日本人相手の商売も成り立ちます。まず飲食店やスナック、日本食材店から始まり、今では教育、不動産、医療サービスなど、ジャンルも多岐にわたっています。ここ数年は大手企業の進出が目立ち、不動産でいえば東急グループが現地企業と組んで日本人家族向けのサービスアパートを建設・運営したり、アパマンショップが店舗をオープンする等の動きがあります。東南アジアへの日系進出が目立つ昨今ですが、首都でも大都市でもないシラチャに、大手クラスが進出するのは珍しい。
極めつけが、昨年10月に市内中心部にオープンした「イオンシラチャ・ショッピングセンターでしょう。「マックスバリュ」を核店舗に、飲食中心の60店舗で構成されています。その他、学習塾等の教育施設、マッサージ、銀行、クレジットカードなどの金融サービスも日系を揃え、「日本の品質や雰囲気」にとことんこだわる、これまでシラチャにはなかった商業施設といえます。
 
【イオンはJAPAN感満載の商業施設】
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これまでシラチャの商業施設といえば、「ロビンソン」という、タイ地方都市によくある大衆型ショッピングセンターしかありませんでした。そのロビンソンから徒歩数分のところに、イオンタウンがオープンしたことで、「ロビンソンvsイオン」の一騎打ちの様相になりそうです。
 
【ロビンソンは、タイらしいローカルな雰囲気…】
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(余談になりますが、市内中心から東方6㎞の郊外に、「Jパーク」という、日本をテーマにしたショッピングモールも2014年にオープンしています。が、こちらは日本人向けというより、「郊外の戸建エリアに住むマイカー利用のタイ人向け商業施設」で、ロビンソン&イオンと商圏が違うので割愛いたします。)
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「イオン」の出現によって、シラチャの商業勢力図がどう書き換わるのか?場合によっては、シラチャの中心部がイオン方向に移動するのか…興味はつきませんが、現時点でいえば、「ロビンソン圧倒的に優位」な構図は変わらないように見えます。。だって、多勢に無勢ですもん。
 
シラチャの住民構成(推定)
タイ人  25万人 (約95%)
日本人   1万人 (約4~5%)
その他外国人 ごく少数
 
いくら日本人が多い街だとはいっても、シラチャ住民の約95%を占めるタイ人に支持されるロビンソンは、やはり強い。いつも客で一杯だし、ロビンソンの回りにバイクタクシーやトゥクトゥクが常時、何十台も停まっている。バンコクやパタヤなど、他都市へ行く乗り合いタクシー(ロットゥ―)も、全てロビンソンを発着。シラチャのメインストリート(スクンビット通り)に面していて目立つのも大きい。
対するイオンタウンは、メインストリートから東へ小道を入っていく、目立たない場所にあるためか、客の入りが寂しいように感じます。イオン前にはトゥクトゥクが2台ほど止まっているだけで、ロビンソンの活気・喧噪とは比べるべくもない。飲食店も、人気の店はそれなりに賑わうけど、それ以外の店は閑古鳥。
 
素人目に思うんですが、日本人向けに店を最適化したところで、シラチャ人口のたかだか4~5%に過ぎない人々に支持されたところで、商売としてはキツイのではないか?それより、圧倒的多数を占めるタイ人に支持される、少なくとも認知されるようでないと、先行き厳しいのではないか?
早い話が、メインストリート(スクンビット通り)に、シラチャーの20km前位からイオンタウンの広告をいくつも、デカデカとタイ語で出すようでないと、シラチャー周辺都市(チョンブリやパタヤ)に住むタイ人に認知してもらえないと思うし、イオンに入居しているテナント飲食店も、ロビンソンでごった返しているタイ人客向けにチラシを配ったりして、彼らの客足をイオンに向けさせるような努力をしないと、結局「ロビンソンの天下」は変わらない。
タイ人にもいろんな人がいます。彼らの平均的な収入水準は日本人より低いでしょうが、なかには、日本人が逆立ちしても敵わない超お金持ちのタイ人も相当数いるはずですから、彼らがイオンタウンでお金を使うようになることを目指した情宣活動は絶対に必要でしょう。
シラチャについて書いてる日本人のなかには、「イオンタウン周辺が、新しいシラチャの中心になる」と言ってる人もいますが、イオンタウンが相当数のタイ人に支持されて、ロビンソンと匹敵するような賑わいをつくらない限り、それは起こらないと思います。
 
最後に、シラチャ不動産投資について、少しは書かなきゃなりませんね。この街でこれから不動産投資するのは、一般論としてかなり難しいと思います。つまり、「ピンポイントで絞らないと、勝てない」…詳しくは、私が講師を務める「バンコク・アカデミー」の次回講義(1月18日)でお話ししますが、シラチャには短期的に解決困難な二つの問題があることを、まずは理解しましょう。
 
・過剰供給 (歩いて回れるサイズの小さな街に、日本人賃貸客目当てのコンドミニアム・サービスアパートが大量供給され、すでに飽和)
・賃貸向きエリアの狭さ (公共交通機関がゼロに等しく、日本人が賃貸で住めるエリアが、ピンポイントで絞られてしまう)
 
過剰供給ゆえ、「他の物件より条件が良くないと、選んでもらえない」ところにもってきて、日本人が住めるエリアが限定されるわけです。ロビンソン徒歩圏とか、イオンタウン目の前みたいな好立地なら、需給ダブつき気味とはいえ賃貸需要はそれなりにあるでしょう。
しかし、市内から1~2km以上離れたところで、大して特色もない物件だと即アウトです。電車もバスもない、タクシーも極めて少ないシラチャのこと。日本人がわざわざ遠い場所に住む意味がありません。中心部の賃貸物件より明らかに安くても厳しいでしょう。なぜならそこは、タイ語が読めない話せない人が住むには非常に不便だからです。
 
【英語表記が普及したバンコクと違い、地方都市シラチャはタイ語オンリー表記が多い】
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一般論をいえば厳しいシラチャ不動産ですが、マーケットを詳しくみれば、たとえば日本人駐在員が家族連れで住める100㎡超、2~3ベッドルーム以上の良質の賃貸物件が極端に不足しており、Jパーク近くの郊外でこのクラスの物件をサービス付で建設・運営している東急は成功しています(ここは賃貸物件だけなので投資は無理ですが…)。
但し、シラチャのサービスアパートならどれでも成功できるわけではありません。東急が成功したなら、その要因は何なのか?きちんと考え抜いて企画したものでないと、結局ハズレます。シラチャ不動産投資がピンポイントでしか成功できない、という基本は変わりません。