台北一極繁栄の風景

おはようございます。国際不動産エージェントManachanです。台湾での仕事、すべて終わりました。昨晩、台北の国際空港を出発、いまマレーシアのクアラルンプールで、次の目的地・カンボジア行きの乗り継ぎ便を待っています。
 
台湾では、3日連続、セミナー講演という、ハードなスケジュールでしたが、セミナー受講者との素晴らしい出会いに恵まれ、大変実り多い滞在になりました。台湾投資家の方々は、いつ会っても、勉強熱心で素晴らしいですね。
あの素晴らしい方々に会うためにも、台湾セミナー、これからもずっと続けたいと思います。そのためには、成果出さなきゃね。
 
また、常に進化を続ける、台北の街を歩くのも楽しかったです。私は、1989年から90年にかけて、この街で暮らしましたが、あれから約25年を経て、台北の街は長足の進歩を遂げたと思いました。。
・地下鉄(捷運);私のいた頃は、地下鉄なんてなかったのに、今では台北の東西南北、縦横無尽に張り巡らされています。
・新幹線(高鐵):私のいた頃は、台湾鉄路局の特急電車と高速バスしかなく、台北から高雄までは最低4時間かかったのに、今では新幹線が通って2時間かからない。
・排気ガス:私のいた頃の台北は空気がひどく、広い道路が排気ガスで向こう側が煙ったりしました。今では地下鉄移動が普及して、ずいぶんマシになりました。
・街路樹:台北の目抜き通り、敦化北路、仁愛路などの並木が、長い年月を経て大きく成長し、今では鬱蒼とした森みたいになりました。
・ランドマーク:「台北101」をはじめ、「京華城」、「台北小巨蛋」などの商業施設は、私のいた頃はなかったです。
 
台北の地下鉄路線図。25年前から考えると信じられない充実ぶり。


 
【敦化北路の街路樹も、大きく成長しましたね】


 
台北が昔と比べて便利に、美しく、機能的に整備されていく。一方で、台湾の他都市で、台北みたいに整備されたところは、他にありません。台中、台南、高雄…いや、台北市近郊の都市でさえも、20年以上前の「オールド台北」を彷彿とさせる、田舎っぽさ、雑然さを残しています。
 
 
・台湾経済のグローバル化
・台北への冨の一極集中

は、ほぼ同時期に進行した現象のように思います。同じ東アジアの首都である、東京やソウルも、台北とほぼ似た発展過程をたどった都市かと思いますが、どこも、
・工業化時代には、首都が繁栄した一方で、地方の工業都市も繁栄した。
・工業化が一段落し、サービス経済化が進むと、人材や本社機能、政治・行政機能が集中する首都地域だけが引き続き発展し、その他の工業都市は没落に向かった。
・経済グローバル化が、首都一極の繁栄に拍車をかけた。
 
それは、次の一言に集約されるかと…
1980年前後から顕著になった、東京の繁栄と、大阪の相対的衰退
1990年代から顕著になった、ソウルの繁栄と、プサンの相対的衰退
ほぼ同時期に顕著になった、台北の繁栄と、高雄の相対的衰退

 
グローバル経済隆盛の時代、多国籍企業が、日本、韓国、台湾…それぞれのマーケットにビジネスの拠点を置き、幹部社員を配置して、ローカル社員を雇う。
その立地は、台湾や韓国くらいの経済規模の場合、「首都だけでいい」ということになりがち。私、サラリーマン時代に6つか7つくらいの多国籍企業を渡り歩きましたけど、台湾の事業所(ローカル本社)は、例外なく、台北都市圏内に置かれ、他都市(台中や高雄)には、小さな営業拠点しか設けられないのが通例でした。
 
台湾のなかで、英語や日本語のできるビジネス人材の調達は、やはり台北が一番便利だし、外国人幹部社員が暮らせるような、都市環境やグローバル教育機会の充実した場所も、何だかんだ言って、台北に集中しています。
台湾は面積が九州と同程度しかなく、台北に拠点を置けば、新幹線で高雄あたりまで悠々日帰り圏なので、メインのオフィスは基本、「台北だけでOK」なのです。
かくして、台北には、グローバル雇用機会が集中するし、また、中国大陸をはじめとする、グローバルマネーの流入地も、台北になります。
 
それが、台北の地価・不動産の高騰を引き起こしている一因にもなっていると思います。台北市中心部のマンション価格は、ファミリーマンションだと平気で「億超え」。坪単価でいうと300~400万円からスタート。東京港区の超一等地と変わらない感覚ですね。
他都市の不動産価格をみると、台北と比べれば、全然あがっていない。台中、高雄の場合、台北のざっと3分の1~4分の1といったところでしょうか。
【やや古いデータですが…台北の突出ぶりが目立ちますね】
(いま、台北市で坪45万元ではとても買えません。)


 
主要都市のなかで一番安い、高雄市周辺の不動産をランダムにネット検索してみると、結構、「値引き」が目立ちますね。不動産超強気の台北市内とは全く別世界のように思えました。
いま台北で働き、家を買おうとしているサラリーマンは、本当に大変だろうな。
 

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