不安煽り商法が嫌いな理由

こんばんは、国際不動産エージェントManachanです。
 
私は不動産業者ですが、不動産という、高額な商品を買わせる(もとい、買ってもらう)ために、さまざまなセールスのテクニックがあります。
よくあるのが、「不安煽り」商法。「今のままのあなたで良いんですか?」・・・購入者の現状を否定することにより、物件購入という一大決断に誘導する手法。
「このまま家賃を払い続けるつもりなんですか?」
「借家のままだと、何も手元に残りませんよ」

と、切り出しておいて、
 
「今、マイホーム買うと、これだけの優遇策があるんですよ。あなたも、自分の財産を持てるんです」

みたいに誘導する。あとは、「地震リスク」を強調して耐震物件買わせるトークも多いですね。
 
ま、実需向け住宅の誘導セールスなんて可愛いものです。海外不動産投資の世界になると、もっとエグいセールストークが登場します。この世界、「海の向こうにある住宅を売る」という、「不要不急支出」の最たるものですから、売るには「情報」がすべて。そして、短期間にたくさん売りたいので、「不安煽り」テンプレートのお世話になることが多い。例えば、
「日本はあと数年で破綻しますよ。」
「地震、放射能のある日本に一生住み続けますか?」
「日本円のままで財産持ってていいんですか?」

 
そうやって不安にさせておいて、
「さあ、あなたも海外への足がかりをつくりましょう。私たちがお手伝いします!」
と誘導して、物件を買わせるわけです。
 
日本がやばいと、作為的に思わせるための、「政府債務の国際比較グラフ」とか、「チェルノブイリ事故と関連した旧ソ連の死亡率グラフ」とか、よく出てきますね。
私、こういう商法、はっきり言って、嫌い!!
 
なぜなら、私は投資家気質だからです。投資家という生き物は、「自分の頭」で判断することに快感を覚えます。自分が心から納得しないと投資しないし、その結果、成功しても失敗しても、自分の選択の結果として受け入れます。だから、
 
「どれくらいリスクがあるのかは、俺が調べて、自分で判断するよ」
「あんた方には、確度の高い情報だけ、与えていただきたいんだ」
「誘導なんて一切要らねえ!」

 
そのように考えるのですね。だから、いくら「不動産セールスのテンプレート」とはいえ、こういう人々に不安煽りをしちゃったら、かえって逆効果。反感を買うだけです。
私も、たくさんの海外不動産セミナーを企画しますが、基本、「不安煽りトーク厳禁」を心掛けてます。
 
アジア太平洋大家の会で集客した人には、経験上、「投資家気質」の人が多く含まれています。そして、海外在住経験、投資経験からして、私なんかより数段上の、プロ級の方々もセミナー聞きにくることがよくあります。
そういう方々の前で、私みたいな奴が一丁前に講演するの、正直、こっぱずかしいんですが…それでも、なぜ彼らがセミナーにくるのかというと、
「投資のスタイル、海外事情は、すでに頭に入っている」
「でも、特定の国・地域(例.オーストラリア)の不動産投資に関する情報はまだ持っていない」
「その知識を得るには、自分で調べるより、専門家に話を聞いた方がずっと早い」

だから、彼らがセミナー参加にメリットを見出すわけなのです。
 
要するに、そういう超プロ級の方々までいらしてくれるセミナーで、「不安煽り」トークなんかしちゃったら、アジア太平洋大家の会の看板に傷がつく。
「おたくは、海外不動産売らんかなセミナーする団体なの?」と、思われてしまうだけです。
 
あと言うと、現行不一致は、見ていてカッコ悪い。セールスマンの、言ってることと、実際にやってることが違うと、瞬時に「本当じゃない」と、見透かされてしまいますよね。たとえば、
 
「地震、放射能がヤバイヤバイと強調する本人が、なんで今でも東京に住んでるの?」
 
セミナー参加者は、それを見破るリテラシーは十分持ちあわせています。だから、「売るための嘘」はつかないことです。売るのに時間かかっても、やっぱ正直ベースが一番ですね。

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