こんにちは、国際不動産エージェントManachanです。今回は、「不動産投資・ビジネスの対象エリア」に関して、私の考えを書きます。
2018年9月現在、日本の不動産マーケットは、全体としてみればバブルでもバブル崩壊でもありませんが、収益不動産という「局地マーケット」に関してのみ、今まさに融資バブルが弾けて下落している最中です。
いまの状況を、「フランス革命史」にたとえて分かりやすく(?)いうと、こうなります。(※私は千葉県柏市の出身で、子供時代、「ベルサイユのばら」作者・池田理代子さんの近所に住んでましたので、男性ながら「ベルばら」や「オルフェウスの窓」などを、とても身近に感じております。)
【2012~18日本の収益不動産の歴史】
・2012年のアベノミクス始動、2014年の黒田日銀バズーカ砲マイナス金利に端を発する「不動産融資バブル&素人大家フルローン時代」(=ブルボン家絶対王政)が、
・「2017年末スルガ銀行&かぼちゃの馬車事件」(=バスティーユ監獄襲撃)を発端としてもろくも崩れ去り、
・「2018年西京銀行&TATERU事件」(=ヴァレンヌ逃亡事件)で、「不動産融資バブル時代」崩壊が決定的になる。
これは日本だけの現象ではなく、世界的に、多くの国で7~10年サイクルで繰り返し起こっています。しかも何十年もの間、同じことの繰り返し…人類って、進歩しない生き物だよなあ…
【収益不動産の世界は、こんなサイクルで推移します】
1)融資が厳しく、現金か土地持ってる人じゃないと収益不動産買えない時代。
2)融資が緩くなり、高属性サラリーマンが収益不動産買えるようになり、不動産価格が高騰しはじめる時代。
3)不動産価格が高騰しすぎて需要が一巡しても、量的拡大を目指すアパマン建売業者と貸し先を確保したい金融機関が結託して、「本来、カネ借りるべきではないサブプライムなスペックの人にガンガン貸す」時代に。
4)無理な信用創造が破綻し、これまで儲かった業者や銀行の「悪事」(?)があることないこと暴かれて、金融当局が介入して、融資も不動産価格も強制的に元に戻る。
世の中の景気は悪くないですが、収益不動産業界は今まさに冬の時代。融資出ない、物件動かない…2014~16年頃は儲かりまくってブイブイいわせてた多くの会社が、廃転業に追い込まれています。2016~17年の、不動産価格が高騰した時代に無理して量的拡大に走った会社は、「売るべきじゃない物件を、買うべきじゃない人に売りまくった」ことで、いま世間のバッシングを受けています。
いま特に厳しいのが「サンタメ」(三為)とよばれる転売業者でしょう。そこにに勤める知り合いのセールス担当から私の携帯に電話が来ました。いつも、「鈴木さんところで、売れる物件ありませんか~」、「物件買えるお客さんいませんか~」みたいな、お決まりの問い合わせなんですが、今回は特に切実度が高く聞こえました。
私は、こう答えました。「日本国内の商売は今ありませんけど、私は数年前から海外不動産にシフトしてるから、いまの市況の影響は受けてないですよ~」と。そしたら彼、ものすごく食いついてきて、「教えて!海外ってどうなの?どこの国やってるの?融資はどうなの?」と、矢のような質問(生活かかってますな~)。
「私は国際不動産の会社興して、いま30数か国を取り扱ってます」、「50か国くらいに増やしたいです」、「海外出張行きまくって、物件も融資も世界中で開拓してます」などと答えましたが、どこまで分かってくれたんだろうか?
私がいま、なぜ海外不動産やってるのか?たくさんの国を取り扱ってるのかというと、「一つの場所にこだわると、投資・ビジネスの好機を逃してしまいがち」だからです。いま日本一国だけで収益不動産やってる業者が軒並み苦境に陥っていますが、彼らは2014~16年は大いに儲かっていたのです。世界中を探すと、今まさに2014~16年の日本不動産黄金時代に相当する場所が、必ず見つかります。例えば、アメリカのテキサス州などは、業者視点からすれば「いまが旬」といえます(あと1年もすれば旬じゃなくなるでしょうが・・)。
また、私は投資家なので、収益やってる業者が儲かるよりも前のタイミングで、物件を安く仕込むことを身上としています。日本では2011~13年のタイミングで安く仕入れ、2014年を最後に仕入れをストップし(値上がったからねえ…)、2017年前後に売却・利益確定しました。世界中を探せば、2011~13年の日本と同様、「今まさに仕込み時」な場所が、必ず見つかるのです。たとえばドイツの地方都市とか、アメリカ南部の比較的無名な州などは、今が仕入れ時と思っています。
「業者として儲かるタイミング」な場所、「投資家として仕入れるタイミング」な場所を、世界からみつけるには、とにかく、場数と情報が大事。そのため、私や市川は、いろんな国・都市に、死ぬほどたくさん出張して、不動産を見まくっていますし、国際不動産の業界団体のコンファレンスや、中国、ロシア、アラブ圏の国際不動産イベント等に参加して、世界中に仕入れ先や情報源をつくっています。
世界各地のデータ分析と実地調査を組み合わせることで各国間、各都市間の複眼的な比較もできるようになり、それがコンサルティングの品質や顧客満足度を高めることができますし、「いま日本不動産が買い時じゃなくても、世界中から、お客様の要望にあわせて、最適な地域から最適な物件をご紹介することもできます。だからこそ、私たちは一か所にとどまらず、世界中を回って、できるだけ多くの国・都市の不動産を扱えるようにしたいのです。