日本人向きのドイツ不動産投資

こんばんは国際不動産エージェントManachanです。欧州視察旅行2日目、いまドイツからトルコに移動中。
日本に住んでると実感しにくいですが、欧州に来るとドイツ〜トルコ間の人の移動量は半端ないですね。ドイツ国内には何百万人のトルコ人移民、労働者やその家族が暮らし、国もとの家族親戚、友人との交流で行き来する人がとても多いのです。
私が訪問したデュッセルドルフは、ドイツの中では大都市とは言えませんが、社会科の教科書に出てきた「ルール工業地帯」を控えた土地柄、トルコをルーツとする住民が昔から多い。デュッセルドルフの空港から、トルコの大都市のみならず、中堅都市に向けても、直航便が多数発着しています。
あと、気候の厳しいドイツに暮らす人が、地中海の陽光を求めて移動するバカンス需要も旺盛です。トルコの地中海岸は、スペインやギリシャ、イタリアと並んで、ドイツ人に人気の旅行先。ハワイに行きたがる日本人を彷彿させますね。
本題に戻って、ドイツの不動産事情。昨日、デュッセルドルフ周辺のデュイスブルク(Duisburg)、ゲルゼンキルヘン(Gelsenkirchen)、ヴッパタール(Wuppertal)の各都市で、収益不動産を7〜8ほど、視察しました。
この辺の土地勘がない方も多いと思うので、説明しますね。
* 州都デュッセルドルフ、最大都市ケルンを中心に、エッセン、ドルトムントなど中堅工業都市が多数連なるノルトラインヴェストファーレン(NRW)州は、ドイツ最大の人口密集地域で、ドイツ全体の20%以上、人口1800万人が暮らす大都市圏。
* とはいえ、中堅都市の集合体なので、東京みたいな密集感はない。あえて日本にたとえれば、静岡市と浜松市、豊橋市、岡崎市、豊田市が、20km毎に隣り合ってる感じかな。
* それぞれの都市は、鉄道、高速道路(アウトバーン)によって効率的に結ばれている。大きめの都市には地下鉄があり、中堅都市にはそれぞれ市電やモノレールがある。
* 基本的にクルマ社会で、通勤通学客の都市間移動が多い。例えばエッセンに住んでデュッセルドルフに通勤する人は多いし、その逆パターンもある。
都市と都市の間には農村地帯や森林も広がる
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環境の優れた美しい都市ヴッパタール、名物は逆さ吊りモノレール
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デュッセルドルフ旧市街の洗練された都市景観
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各都市間は密な鉄道網で結ばれ、利便性が高い
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NRW州はドイツのなかでは、比較的繁華で産業基盤が強い地域といえますが、州内にはバラエティ豊かな都市が連なり、土地柄も様々。デュッセルドルフなどホワイトカラーの高給取りが多い、洗練された近代都市もありますし、山と緑に囲まれ落ち着いた住環境を誇るヴッパタールもあれば、またデュイスブルクやゲルゼンキルヘンのように、工業都市的性格が強く中近東、東欧系住民が多いエリアもあります。
不動産の売買や賃貸価格でいうと、デュッセルドルフはミュンヘンやフランクフルトと並び、国内で最も高い部類に入りますが、そこから30km弱離れたデュイスブルクに行くと面積あたりの家賃が半分、売買価格が3分の1以下の世界。つまり、賃貸利回りはデュッセルドルフを出て周辺都市に行った方が高くなります。
ドイツ都市部のグロス賃貸利回りは3~7%と、先進国の平均的レベルですが、デュイスブルク、ゲルゼンキルヘン等、NRW州内の工業都市だと7~12%が当たり前になります。
嬉しいことに、ドイツは日本と違って、「利回りの高さ」=「空室リスクの高さ」とはなりにくい。特にNRW州は各都市に産業や雇用機会がある上に、住宅需要に対して供給が不足しているので、空室リスクが低い。人口増加率は高くないですが、環境景観規制が厳しく、旧い建物を壊したり新築住宅を建てるのが難しいのです。
またドイツ人の国民性として住宅保有意欲が概して低い。一生賃貸で良いと考える者も多く、国全体の賃貸比率が約60%(持ち家率が40%)というのも、空室率の低さに拍車をかけています。私が信頼する現地管理会社は、「管理物件200戸ほどあるが、1ヶ月以上空く住宅はほぼない」と言ってました。
またドイツ政府も、賃貸志向の強い国民が安心して暮らせるように、強い入居者保護政策を実施しています。たとえば、
「ドイツの賃貸借契約には期限が定められていない。入居者は家賃滞納等の問題を起こさない限りずっと住み続けられる」
「家主は3年間で賃料を15%以上上げてはいけない、また家賃値上げには相当の理由が必要になる」
「自分が住む場合を除き、入居者を追い出してはならない」
賃貸志向の強さと、賃借人保護の制度ゆえ、ドイツの不動産価格は周辺諸国と比べて上がり幅が緩やかになる傾向があります。マーケット特性としては、キャピタルゲインは狙いにくいが賃料収入が安定しやすい。日本に近い状態ですね。
前述の現地管理会社は、NRW州内で「年間の値上がり率2%」+「ネット利回り7〜8%」の収益物件を販売しています。これで空室や家賃下落の問題がないのなら、投資物件としてかなり良いですね。
安いものは300万円台からあるので、試しにひとつ買ってみようかな。
なお、今回のドイツ訪問、きっかけをつくってくれたのが、先月末、北京での不動産展に出展していたドイツ不動産会社BMG Invest社の中国人社員(女性、ドイツ在住)。
彼女は私に、「物件は良いのに、中国人にはなかなか売れないのよ」とこぼしていました。なぜなら、
– 中国人は移民を希望する者が多いが、ドイツは欧州のなかでも移民ビザが取りにくいことで有名。
– 中国人はキャピタルゲイン志向が強く、5年間で2倍の値上がりを期待したりするが、ドイツの状況から考えて、それは到底望めない
逆にいうと、賃貸収入をコツコツ稼ぐタイプが多い日本人大家にとって、ドイツ不動産は向くのではないでしょうか。
また、日本人は海外移民したい人が少ないから、ドイツの移民ビザ規制が厳しくてもデメリットにはなりませんし。
住宅供給不足で空室問題がなくて、家賃や不動産価値の下落リスクもほぼない。それでネット7%以上で回って、家賃はユーロで入金。しかもグロスの取得金額が低いのであれば…これが日本人に売れない理由はないと思うのです。
ドイツの場合、購入時の諸費用は高めですけど(約10%)、長期投資するならそれを補って余りあるメリットがありますね。
最後に、今回視察した物件をいくつか紹介します。

一棟アパート約3300万円、4階建て、ネット7.8%、6室満室賃貸中、改修したばかり

区分マンション一室約350万円、4階建の2階部分わネット8.5%、賃貸ついたばかり

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