中国では、上海や北京など大都市の不動産高騰はよく知られていますが、なにぶん広大な国のこと、地方都市に行けば状況が全く違います。その一例として、中国南西部、ベトナム国境に近い広西省チワン族自治区の省都「南寧」と、その外港都市「防城港」の不動産事情を紹介します。
広西省は、長らく辺境の地として経済発展が遅れていましたが、中国とASEAN諸国との経済関係が深まる近年、ベトナムを目と鼻の先に控えた当地は俄かに「ASEAN貿易の戦略拠点」として注目され、経済的な重要性が高まっています。
【南西辺境の地が、一気にASEANビジネス最前線に変貌】
省都の南寧市では2003年より、「中国-ASEANビジネス投資サミット」が毎年開催され、「中国南西の玄関口」として、巨費を投じた都市整備が行われ、今では道路も地下鉄も整備され、70階建以上の高層ビルが林立し、街路樹の豊かに茂る近代都市に変貌しました。
【極めて都会的な南寧市街地】
また、南寧市から130km南、海沿いの街「防城港市」は、拡大を続ける南寧市の外港として、また美しいビーチと年中温暖な気候に恵まれた観光保養都市として、ここ3〜4年急発展を遂げました。冬の寒さの厳しい中国北部からリタイア移住する人も増えています。
【清潔感のある海浜都市、防城港】
最近は、李克強首相はじめ中国のリーダーがASEAN貿易強化の文脈で南寧や防城港を何度も訪れており、全国的な注目が集まりつつあります。とはいえ不動産価格の面では、大都市とはまだ大きな価格差があります。
平均住宅単価(人民元/平米)
南寧市 9528
防城港市 4332
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北京市 58249
上海市 50000
西省と上海·北京の間には大きな経済格差があり、
中国の省都では最安値レベルだった南寧市は、
一方、防城港市は、南寧に遅れること1〜2年、
中国の不動産ブームまだまだ続きそうです。
【防城港の不動産説明会に来場した中国人投資家グループ】