皆さん、こんにちは。
IPC国際不動産コンサルタントの市川隆久です。
2017年がスタートがしました。
私は1月からドイツ、ポルトガル、スペインの不動産視察ツアーを皮切りに活動しています。
2016年は本当に色々な国に行きました。
1月のニューヨーク、メンフィス、ダラスをスタートに、台北、北京、フロリダ、プノンペン、バンコク、ロンドン、マンチェスター、エジンバラ、シドニー、ブリスベン、ケアンズ、デュッセルドルフ、トルコのアランヤ、上海、マニラ、香港に行きました。
私が国際不動産コンサルタントとして独立したのは5月から。
それまでも可能な限り海外には行きましたが、コンサルタントとして私のポリシーが「現地を視察する」ということもあり、加速度を増して海外に出掛けています。
現にこのコラムもモスクワ経由ドイツ行きの飛行機の中で執筆しています。
成田空港、羽田空港の出入国での自動化ゲートの嬉しさや通路側の席の確保、コンパクトな荷物、などなど、かなり旅慣れて来ましたね。
ここに来て、投資家の皆さんを連れて行く不動産視察ツアーも増えて来ました。
しかも、ヨーロッパの視察ツアーは人気があり、予定を決めてセミナーを行うと、5名程度のツアー参加者が集まります。ありがたいことですね。
私は最近、イギリス、ドイツ、オーストラリアのセミナーに力を入れていますが、東南アジアにも企業の事業進出コンサルなども行っており、偏りのない海外不動産の視察は常に行っています。
今年は、2月下旬からカナダ、アメリカの5都市の視察も行います。
アメリカは毎年必ず行っていますが、カナダ含めてまだまだ不動産投資のチャンスはありそうです!
ヨーロッパもイギリス、ドイツに加えて、ポルトガル、スペインの視察も行います。
フランス、イタリア、オーストリアなども行こうと思っています。
トルコもしっかり扱う予定です。
東南アジアは、タイ、ベトナム、フィリピンに加えてインドネシアもやりたいですね。
価格も1000万円以下の物件を手始めとして、本格的に5000万円、1億円以上の物件もしっかり扱います。
私が何故今、主に先進国の不動産を扱うかと言うと、結局、不動産投資には先進国を加えてこそ本格的な投資が可能になる、ということが明らかだからです。
資産運用はポートフォリオだ、と言われます。
金融商品は、リスクとリターンと換金性を考えると、守る部分と攻める部分を組み合わせることが必要になりますね。
リスクを取らない金融商品はリターンがほぼ無いですから、増やそうと思えばリスクのそれなりに高い商品に投資をしなければなりません。
ただ、商品も山ほどありますし、特に海外の金融商品を購入して運用するとなると、英語の目論見書を読みこなさないと太刀打ち出来ないのが現実です。
また海外の金融商品は日本での規制なども大きく、普段から付き合いのあるコンサルタントも数が少ないこともあり、わかっていても手が出せない人も多いと思います。
海外不動産コンサルタントをしていると、海外の金融商品を扱う日本の方にお会いする機会が増えまして、海外の金融商品のことを教えて頂ける機会を得ました。
私は金融のプロではなく、不動産のプロですから、勉強する目的は、海外の金融商品だけでは扱えないゾーンを明確に知りたい、ということです。
海外の金融商品をポートフォリオでリスクヘッジも踏まえた運用すると概ね4%程度のリターンを目指すことは可能です。
日本の金融商品と比較してはるかに上回る運用が見込めます。
当然ながら、利回り10%以上を期待出来る商品もありますが、リスクとの兼ね合いをどう考えるか、ということになります。
金融商品はそれこそ購入よりも売却のタイミングが大切になって来ます。
運用がうまく行っていれば長く運用すれば良いですが、特に昨今の世界情勢では、予想外の出来事が多くて、長期運用もリスクになりやすいですね。
金融商品こそリスクをどう取るか?が大切ですが、海外の金融商品となると自分で売却の判断などなかなか難しいと思います。もちろんそこのアドバイスと対応をすることがその担当者の役割を果たしであり、基本的に全幅の信頼がないと、、ということになり、結果的にポートフォリオでの運用がすべてになると思います。
その部分を人に任せることは本来ならやりたくないのが人間なので、自分でチャレンジ出来る商品が、海外がらみだとFXあたりになることか多いのでしょう。日本だと株式投資でしょうか。
これは一般的な金融商品とは違う位置付けにあります。
手堅い人ほど信頼出来る金融商品のアドバイザーや営業マンがいる。
営業マンから見れば損をさせたら次は無い。
ヘッジファンドのマネージャーはそれが絶対条件。
儲けないと自分の利益がない。
さて、
それと比べて不動産投資とは?
ここがわかっていないと不動産投資にはなりません。
まず大前提ですが、
金融商品は、リスクとリターンの関係がほぼ比例する。
不動産は、リスクとリターンの関係は傾向を示してが比例するとは限らない。
また
金融商品は、満期などの期限が明確で複利運用も可能。しかし、借入によるレバレッジは出来ない。
FXや先物商品などは、レバレッジも効くしリターンも大きいが、リスクが読めないし、マイナスになるリスクも大きい。
それでは不動産は?どうなのか。
私が考える不動産投資の特徴は
不動産は短期で考えると個別の要素が大きく、値上がりも値下がりもあり得る。短期で売却を考えると、購入した価格が安くない限り、値上がりして売却出来る可能性は低い。個別物件の希少性が強い物件は上昇と下落の両方の局面に強いが、希少性がないと上昇と下落の両方の局面に弱い。
つまり、個別要素の比重が想像以上に重い、ということになります。
新築マンションの業界では、販売時の市況と物件力によって、価格と販売期間に大きな差が出ますが、まさにそのことを実証しています。
一方、長期的に見れば、個別物件力の要素よりは、エリアや国の成長が賃料や価格を上昇させる。
賃料が伸びる物件は、値上がりの期待は大きい。
期待利回りは一定の条件で上下するが、賃料が安定していれば、価格はその範囲内で推移するが、賃料が伸びれば、同じ期待利回りでも価格は上昇する。
ロンドン、ニューヨーク、東京都心などの大都市でもインフラや再開発などで賃料が伸びる要素があるエリアや物件は価格の上昇も期待出来る。ただし、街全体の大きな成長ではないので、短期も長期も個別物件力の要素の方が重視される。
私が社会人になった30年前と比べて、東京は利便性の良さが不動産価格への影響が大きくなりました。コンビニが生活の中心になったことが一番大きな要素だと思います。郊外は店舗や大学の移転などで賃料が伸びず空き家も増えています。
現代の不動産の価格を決めるポイントは、賃料にあります。昔は漠然とした成長期待の方が強かったので、賃料はそれほど差がつかなかったのです。
賃料を中心に考えて不動産投資をするべきです。
賃借人がつくかどうか、賃料が上がるか下がるか、が大きなポイントです。
それ以外の要素は、もしかしたら下手な幻覚かな、と思った方が良いかもしれません。
中国人が購入する物件は賃料を考えていないことが多いです。
日本のバブル時代もそうでした。
不動産は上がる、という神話。
中国人が高い価格で買っている都市やエリアの相場は、無視した方が良いと思います。
逆に、賃料が伸びる可能性や要素が分かるエリアや物件は、将来にわたって資産価値が安定することが明らかです。時流が良ければ、値上がりして売却も十分に期待出来ます。
一方で、賃料が安くても安定して賃借人がつくエリアや物件は、安い価格で買うことで、長くそれなりの利回りを確保出来ます。
その利回りは金融商品と比較して有利な条件で購入するべきです。
基本的に値上がりの期待は持てないから、運用益でしっかり稼ぐことが必要です。
一番難しい判断は、利回り保証のある物件です。
基本的に利回り保証のある物件は、賃料の維持などに現時点で確証が持てない物件が多いです。
保証しないと売れないから、という理由もあるかもしれません。これは、逆の立場から見ると、保証してもらえば安心だ、ということになります。
マーケットから見ると、過去の事例が取れないエリアや商品などにあたります。
つまり、保証がないということは何らかの事情がある、ということ。
保証があるということは、長期的な事例がないので、当面安心してください、ということになります。
保証する会社が存続するかどうかの心配は残りますがね。
新興国に保証が多いことや、イギリスの学生寮に保証が多いことなどはまさに、長期的な事例がない、ということになりますね。
そのことを十分に理解して、不動産投資をすることが、金融商品なども含めて、日本国内含めて、海外不動産にも共通するポイントです。
皆さん、これとても大切なことですよ。