こんにちは、ロサンゼルス在住の福留です。
今回は、TIC(Tenancy in Common)という、カリフォルニア州で使われている、不動産を安く購入する方法について書きます。
2010年以降のロサンゼルスの不動産価格高騰は著しく、米国内ではUnaffordable place (高額で手が届かないエリア)として知られています。
そのため、自宅所有率は低く、約64%が賃貸であると、米国の大手物件リスティング会社Zillowが調べています。
出典)Zillow「The Rentership Roller Coaster: Most Cities Gained Renters, Despite a Pre-Recession Dip」
購入は手が出ないから、、とはいえロサンゼルスの平均賃貸価格は $2,508 。賃貸にしたところで高く、社会人でも、ルームシェアをすることが珍しくありません。
日本であれば、低金利でもありますので、そんなに賃料を払うのであれば、購入したほうが月額費用は抑えられるよね、と購入を勧めたくなるところですが、日本と比べて物件価格も金利も高い(3.5-4.5%, 30年固定)為、カリフォルニア州ではそうは行かないのが現状。
そこで使われるのが、冒頭で述べましたTIC。これは、建物を複数人で所有し、そのうえで各自のスペースに住む、という方法。
分譲と違い、所有権はその建物全体に対してのみ存在していて、各戸に分けての所有とはなりません。
例えば、元々は賃貸マンションとして建てられ、賃貸に出していた物件を、TICの形で賃借人全員が購入したり、レントコントロール(オーナーが賃料を上げられる割合が限定されている)物件の為、大家としては利益が出ずに、一旦賃借人を全員退去させてからTICで売却といった具合です。
これについては勿論良い点と悪い点があります。
良い点
・10-20%、相場より安く購入できる。
・その為、投資用としてインカムゲインは高めを期待できる。
・将来的には分譲に転換できる可能性がある。
悪い点
・売却時も勿論、相場より10-20%安くなる。
・他所有者との話し合いが必要なシーンが単独所有より多い(大規模リノベ・賃借等)
・TIC物件に対するローンが少ない。
現在TIC所有の為のローンを出している金融機関はカリフォルニアでは1つのみ。この購入方法は主流とはいえませんが、そんな裏技を駆使して念願のマイホーム購入を、相場より安く叶えている人や、上手に利用して利益を上げている投資家がいるようです。
ローンこそ、対外国人には難しいかもしれませんが、キャッシュでの購入であれば、安く買う方法のひとつとして、使いようがありそうです。
参考)
https://la.curbed.com/2019/8/8/20751845/tenancy-in-common-los-angeles-rental-girl