こんばんはManachanです。連日スモッグで薄曇りの北京からブログ日記お届けします。
ここ中国は、「世界屈指のアウトバウンド不動産ビジネス大国」。北京、上海など主要都市では、(中国人からみて)海外の不動産を紹介・販売するセミナーや見本市の類は、十数年前から盛んに行われています。
国境をまたぐ財、サービスの販売において、お金の流れが「国内から海外」になるものを「アウトバウンド」(Outbound)、「海外から国内」になるものを「インバウンド」(Inbound)と呼びますが、
国内富裕層の旺盛な出国移民熱、資産外出しニーズ、海外不動産取得意欲を背景に、中国は現時点でおそらく世界最大のアウトバウンドビジネス大国。世界中から業者がやってきて不動産や移民ビザを中国人に売りにきます。その膨大な情報量は日本の比ではありません。
下の写真は今年9月22日から始まった北京の秋季不動産展(房展会)の様子。来場者の注目は海外不動産ブースに集まっています。我々も日本からブース出して東京の不動産を中国人に紹介してますが、
折角の機会なので自分でいろいろブースを回り、日本マーケットでは紹介されてない、ヨーロッパや中近東、カリブ海諸国の不動産情報をたくさん仕入れてきました。
ブースを回って世界中の不動産話をしてると本当に楽しくて、一日があっという間に過ぎてしまいました。率直な感想。
世界は広い! 実にいろんな国があるものだ…
中国人の場合、日本人と違って「海外のパスポートや永住権を取りたい」という非常に強いニーズがありますので(というより、彼らが海外の不動産を買う動機の一つがぶっちゃけ海外に逃げることなので…)、そのニーズに最適化された世界中の不動産商品がたくさん売られていました。例えば、
– 50万ユーロ以上の物件をスペインで買って、EUグリーンカードをゲットする案件
– その隣の国ポルトガルで、既存中古を改修した特別な物件を28万ユーロで買ってEUグリーンカードをゲットする案件
-地中海の島国キプロスでは、「30万ユーロ以上ならどんな不動産買ってもEUグリーンカード出る、欧州最安値‼︎」。それだけを売り物にしており、ロクに物件紹介してくれなかった。
一番ぶったまげたのが、カリブ海の島国「ドミニカ共和国」のブース。アフリカ系のセールスレディが、おもむろにPCを広げて、
ドミニカ共和国の国籍取得プログラム。わずか20万USドル投資でパスポートが届く。カリブ海で最安値!ドミニカのパスポートでカナダを含む世界113か国へビザなし渡航可!
説明書きをみると、ドミニカのほか、セントルシア、グレナダ、アンティグアバーブーダ、セントビンセント&グレナディーン等、カリブ海に浮かぶ島国は軒並み、政府が「国籍を売るビジネス」をやっていて、中国人が世界最大の上客であるよう。ドミニカの場合、パスポート取るのに渡航も一切必要なく、中国の自宅にいながらドミニカのパスポートが届くという…すげえ商売だなあ。
ドミニカは国の総人口がわずか7万5千人とのこと。同国のパスポート持ってる中国人の方が数多いかもしれないな。案件自体は、グロス利回り2~2.5%という、投資価値の面ではお話にならないものでした。国籍目当ての中国人だけが買うのでしょう。
カリブ海諸国は極端としても、ヨーロッパでは南欧や東欧の国に、「グリーンカード安売り」が目立つ印象。ドイツとか英国とか、オーストリアとか、経済が比較的安定し、グリーンカード安売りする必要のない国の案件ほど、投資価値の面でみるべきものがあると思いました。私が良いと思ったのは、
・スペイン・バルセロナ。「ガウディ」の見える新築収益マンション。約3000万円から、ローン可。
・オーストリア・ウィーン。「国際連合本部」と「ドナウ河」の間に建つ新築収益マンション。約4000万円から、ローン可。
・ポルトガル・リスボンに隣接する島の再開発案件。ユーロ建て年利10%で、かつ買取保証つき。
・トルコ・アンタルヤ。地中海から50m、600万円から買える新築マンション。
等々…近い将来、日本でのセミナーで紹介するかもしれません。本場・中国に来たからこそ、海外不動産の良い情報が得られて、デベロッパーとも直接つながれてとても嬉しいです。