バンコクお嬢様の街アーリーの実力

おはようございます。国際不動産エージェントManachanです。バンコク出張もすでに1週間が経過しました。今回は、バンコクで不動産投資するなら是非知っておいて欲しい街「アーリー」(Ari)について書きます。
 
バンコクは東南アジアを代表する国際都市。世界中から来た人々が、それぞれ思い思いのスタイルで暮らしています。日本人の場合は、バンコク中心部~東部のスクンビット通り沿い(特にソイ23と63の間)に何万人単位で集まって住んでいます。ここで暮らしていれば、タイ語はおろか、英語が不自由でも、日本語だけで満足に暮らせる環境が一通り整っています。
バンコクで営業する日系の不動産屋は30社以上ありますが、その多くはスクンビット通り沿いの物件を中心に取り扱っているようです。主にバンコク在住日本人を相手にする商売なので、どうしてもそうなりますよね。
 
とはいえ、不動産投資家の立場からいえば、「狭いスクンビットから飛び出して、広いバンコクの各地を歩き、地域属性やマーケットを理解しておく」ことは必要。なぜなら、
 
・バンコク不動産の売買・賃貸マーケットの圧倒的大部分を占めるのは、タイ人。日本人マーケットは全体のごく一部に過ぎない。
・したがって、タイ人視点で住宅地として評価の高いエリアや、そこの地域相場を事実として知っておく必要がある。
いまのバンコクの状況を東京にたとえれば…日本語の読み書きが不自由な外国人が、「湾岸ベイエリア」に集結して、独自の経済圏を形成しているような感じですが、じゃあ、東京で不動産投資するにあたって、湾岸ベイエリアの不動産だけ知っていれば良いのかというと、それは違うと思います。
不動産業者はそれで良いかもしれませんが、投資家としては、東京の他地域の不動産相場も知った上で判断しないと危険だと思います。
 
今、タイでは、日本人駐在員の多い地方工業都市「シラチャー」のコンドミニアムを、日本人がたくさん買ってますが、この場所は、タイ人からみれば全然評価が高くない(=日本人にしか出口が取れない)ことと、観光価値もない(=AirBnB等を使って高利回りを出すことも期待しにくい)。このことを理解せずに買うのは危険だと私は思います。
バンコクに話を戻しますと、地元のタイ人が良い住宅地として高く評価しているエリアは、都心からみて北側に多い。BTSの駅でいうと、都心のサイアムから北へ5駅目の「アーリー」、6駅目の「サパーンクワイ」、7駅目の「モーチット」あたりかと思います。中でも「アーリー」は富裕層に人気絶大の街。
私も「アーリー」界隈を歩いてみて、その実力がよく分かりました。
 
アーリー駅前は戸建と、スタイリッシュな集合住宅が多い

 
アーリー駅前のショッピングセンター、おしゃれで地元感満載

 
「ヴィレッジ」スタイルといいますか…アーリーにはこじんまりとした高級店が多いんですね。広域から集客せず、地元の金持ちだけ相手にしているような店が。
北隣の「サパーンクワイ駅」も良いんですが、Big Cなど、比較的安いスーパーがある時点で、アーリーより地域属性が1ランク落ちる感じがします。
 
アーリーは外国人比率が高くないようで、基本的にタイ語の世界。ここで建設中のコンドミニアムもタイ語表記のみ。タイ人しか相手にしなくても商売が成り立つようです。逆に外国人からすると「言葉の壁」を感じるエリアですね。電車があるので十分住めますけど…。
アーリー駅周辺のコンドミニアムは、タイ人の相場なので賃料もリセール価格もそう高くありません。小奇麗な築浅コンドの1ベッド(30㎡台)で、月額1万バーツ、買っても300万バーツ以下とかがあり、日本人が多いスクンビット界隈よりは安い感じです。もっとも、1万バーツの価格帯だとほとんど空きがありませんでした。
 
アーリー駅近のコンドミニアム、英語表記ゼロ。

 
パホンヨーティン通りを西側に入り、Soi11やSoi9あたりを歩くと、アーリーの本当の実力が分かります。緑陰の濃い、道幅の広い街路。敷地面積の広い戸建中心の良質住宅地が広がります。
ここを歩くと、「スクンビットが貧相に見えてしまう」位のグレード感を感じます。いかにも、お金持ちのお嬢様がたくさん居そうな感じなのです。
 
アーリー西側…緑の濃い、閑静な良質住宅地


 
この界隈にはタイ人富裕層向けの高級コンドミニアムがいくつか建っています。賃貸にまわることも少なく、基本的にはタイ人の金持ちが大き目の部屋を買って自分で住む感じ。その典型例がSoi11にあるLe Monaco Residence
 
エントランスには、なんと、熱帯魚の巨大水槽!

 
1ベッドでも最低80平米。一部屋しか賃貸に出ておらず、賃料は月額4万5千バーツとのこと。スクンビット中心地のH CONDOあたりよりは安い。圧倒的にタイ人の世界ですが、西洋人の富裕層も多少いるのか、ちゃんと英語が通じました。
 
昨日の夜は、アーリーの界隈で生まれ育ったタイ人のお嬢様と楽しいお食事をしました。顔写真は公表できませんがとにかく美人で、英語も堪能。いかにも上流階層な、育ちの良さを感じます。
彼女の話を聞いていると、「アーリーこそ、バンコクで一番素敵な場所」、「スクンビット、シーロム、ラチャダーなど外国人の多い場所は眼中にない」…そんな世界観が垣間みえます。東京でいえば、城南や目白のお屋敷街で育ったお嬢さんが、新興のベイエリアには全然興味ない、みたいな感じでしょうか。
 
私も、もし自分がバンコクで生まれ育ち、タイ語ネイティブだったなら同じように感じるんだろうなあ…それだけの実力、気品、生活水準の高さを感じる「お嬢の街アーリー」のお話でした。

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