こんにちは、国際不動産コンサルタントの市川隆久です。
私のポッドキャストやコラムでは、お客様から質問の多いテーマを中心に
情報発信することを心がけています。
今回は、マンションの寿命についてです。
まずは日本の建物についてですが、
私がこの仕事を始めた、35年ほど前には、
鉄筋コンクリートのマンションでも寿命は30年程度といわれていました。
それが今では、60年程度といわれることがほとんどです。
現在でも目にする日本の団地のほとんどは、昭和30年頃に建築されたものが多く、
それらは現在では築60年を超えても使われています。
私の実家は木造の戸建ですが、それも既に築60年超ですがまだ使っています。
建築技術や材料によってさらに寿命は変わります。
水分量の少ないコンクリートを使用することや、
鉄筋の酸化を防ぎ、アルカリ性を保つよう、鉄筋をコンクリートで覆うなど、長持ちさせるための技術によって寿命が変わるのです。
日本は地震大国ですので、大きな地震が来るたびに改良し、今では100年・200年コンクリート住宅というのが出てきています。
次にヨーロッパの建物についてですが、
ヨーロッパでは石・レンガ・鉄骨コンクリートの構造がほとんどで、築100年超の建物が多く見られます。
地震がないこと、湿度の違いが、建物の長寿に大きく影響しています。
また、現地では歴史的な建造物を守る意識とその為のルールが確立している為、新築物件の建築数も限られています。
アメリカでは木造が主流です。
湿気・風・雨など気候の影響で、ここでも築100年は珍しくなく、建物が古くてもメンテナンスをして使い続けています。
中国では、先日見に行った築15年前のマンションが既にボロボロでした。
メンテナンスをする文化や技術が行き渡っていないですし、どんどん物を新しくするという考えのほうが主流のようです。
このように、マンションの寿命は、国やその環境、メンテナンス、建築方法、建材によって大きく変わります。
その前提を理解した上で、実際に現地に行って見て判断。
本当に心配であれば専門家にインスペクションを依頼するというのが一番でしょう。