千葉県柏市の草深い場所で生まれた私は、運命のいたずらで、なぜか日本を代表するお受験エリア「東京の文京区」へ引っ越し、5歳から7歳までの時期を過ごし、一時期名門小学校に通いました。
当時の文京区はすでに、全国から「お受験教育移住ファミリー」が来る場所で、バリバリ格差社会でした。資産背景に恵まれた人だけが、文京区の住宅・教育コストを払い続けることができる。私が育った家は残念ながらお金が続かず、滞在2年半でお金を使い果たして、生活コストの安い柏に戻ることになりました。
ただ私の両親にとって、人生の一時期、背伸びして文京区で暮らしたことは勲章であるようです。柏で育つことになった私は、結果として、文京区で育った仲間たちと遜色ない学歴を勝ち取りました。そして、インターや英語圏の大学で学ばなくても、オーストラリアに移住してプロフェッショナルな職を得ることもできました。
子供にベストな教育環境を与えたい親心は尊いものです。とはいえ「お金にものをいわせて英語で高等教育を受ければ勝ち組になれるのか、それができない家庭で育ったら負け組になるのか」というと、必ずしもそうではない。私はそれを、人生で証明してきました。
だから、私は子供たちを名門学校とか高額なインターに行かせることには、本質的にそんなに興味がないです。それより「うちは悲惨な境遇じゃないんだから、与えられた環境で、精一杯、人生ゲームをプレイしてみな」、「自分の頑張りよう、あるいは目の付け所や、努力の仕方によって、もっと恵まれた境遇の奴に勝つチャンスは十分あるんだよ」と子供たちに伝えています。
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