今回はアメリカ政治ねた。トランプ弾劾が不発に終わったバイデン政権でいま一番旬な話題は、最低賃金の引き上げ。すでに「コロナ対策景気刺激法案」の審議が始まっており、この法案には現在7ドル25セント(約761円)の最低賃金を15ドル(約1575円)に引き上げる法案が組み込まれています。
現時点で各州バラバラな最低賃金を、全州一律に2025年までに最低15ドルに引き上げるというものですが、いま共和党ばかりでなく民主党の議員からも反対論が出ています。「労働者の待遇改善は大事だが、今コロナウイルスで苦境に陥っている中小企業経営者たちのことを考えなければならない」と考える民主党議員もいるそうです。
最低賃金って徐々に引き上げていくのがセオリーだと思いますが、バイデンがやろうとしているのは、いま7ドル25セントでやってる州を、4年後には15ドル、つまり倍以上にする…これは経営者にとってはかなりの環境変化です。
私(鈴木)も経営者なので、最低賃金がドラスティックにあがったら、人件費コストを圧縮するために、まず自動化を試み、あとは熟練労働者中心に少数精鋭チームにすることを考えます。これは地元労働者にとって職を失うリスクになります。
もちろん労働者の待遇を上げていくことは大事ですし、それがイノベーションにつながる面も否定しませんが、性急に物事をすすめると、経営者が労働者を雇用しにくい状況をつくってしまい、結局、貧困層、弱い者が割を食うことになりかねないでしょう。
————–
海外不動産に関して、聞きたいこと、知りたいことなどありましたら、お気軽にお問合せください。