アジアの裕福なド田舎国家「ブルネイ」不動産の魅力

こんにちは、国際不動産エージェントManachanです。東南アジア、ボルネオ島にある小さな王国「ブルネイ」への2泊弾丸出張から帰ってきました。
東南アジアは日本との経済関係が盛んな地域で、特にタイやベトナム、シンガポールやマレーシア、フィリピンに馴染みの深い方は多いと思いますが、そのなかで「ブルネイ」は知名度がとびきり低くスルーされることが多い国。私は何年も前から東南アジア不動産関連の仕事をしてますが、ブルネイのことはほとんど知りませんでした。
実際、ブルネイ不動産の情報は非常に少なく、世界の多くにとって「知られざる秘境国」であることは間違いないでしょう。でも調べてみると面白い。ある意味、アジアでこんなユニークな国はないでしょうね。

 
・国土面積は5700平方キロ(三重県相当)
・人口は非常に少なく42万人。うち外国籍労働者が約15万人を占める。
・石油・天然ガスの輸出により、国民の裕福度が高く、福祉がたいへん充実。
・国土全域が「マレーシア」に囲まれている。
・食文化、生活文化とも、マレーシアとシンガポールに近い。
・1984年まで英領植民地であったため、英語の通用度が高い。他にはマレー語、中国語が通じやすい多言語国家。
・敬虔なイスラム国家であり、国内でお酒が飲めない。
・絶対君主制の国で、国王(スルタン)が敬愛されている。
・国王一家は、世界の王室としてはトップクラスの莫大な富を保有している。
 
【ブルネイ王室の富を象徴する、世界に二つしかない7つ星ホテルThe Empire】



 
百聞は一見に如かず。今回、機会を得て実際に見に行ってみました。その印象を一言でいうと、
裕福なのに、なーんにもない。バスもタクシーも、娯楽もサービスもない、ド田舎な国
隣国「マレーシア」と比べると、その特徴が際立ちます。
・ブルネイの方が所得も、物価も高い。
・でもマレーシアの都会と比べると、ブルネイは田舎。
 
景色や建物、人々の様子がマレーシアにとても似ている分、ブルネイはぶっちゃけ「マレーシアの二線級地方都市」に見えます。ブルネイからみて、マレーシアの首都クアラルンプール(KL)は仰ぎ見るような大都会で、シンガポールとともにトレンドの発信地みたいなもんですし、同じボルネオ島にあるマレーシア領の地方都市コタキナバル(KK)でさえ、ブルネイよりはずっと大きくて都会です。
都会の刺激がない分、ブルネイの民家やショッピングセンターも外観、デザインが概して田舎臭い。KLの高級住宅地モントキアラあたりの、新しめのデザインの建物を持ってきたら、ブルネイでは即トップになれる…そんな世界。
 
【ブルネイの平均的なショッピング施設の外観はこんなもん】

 
【この位きれいにすれば、ブルネイではトップ10%に入りそう】

 
そこまで田舎なのに、石油のおかげでブルネイ民は裕福なんです。彼らはマレーシア人より金を持っており、初任給もマレーシアの倍額取れますし、ブルネイの街中はベンツやレクサスがいくらでも走っています。
ブルネイの幹線道路はキレイに整備され、まるでシンガポールのよう。国中が整然としており衛生的で、汚い場所、カオスな場所が滅多にありません(少なくともマレーシアよりは明らかに少ない)。
 
【国中で道路の整備状態はとても良い・・でも景色は田舎】

 
【自然に囲まれ、市街地では野生サルが出現してくる】

 
ブルネイの首都から車で1時間も走ればマレーシア領の中堅都市「ミリ」(Miri)に到達しますが、そこでマレーシアの安い物価、バラエティ豊かな商品、国内で禁じられたアルコールを求めて、ブルネイ民が押し寄せます。一方で、マレーシア人が国境を超え、ブルネイの高い給料を求めて働きに来ます。
(私は都会が好きな人間なので、もしブルネイに生まれ育っていたら退屈でたまらんでしょうね。それこそ毎週末、KLに飛んで都会の空気を吸いに行くと思います。アジア1の大都会「東京」なんぞ見た日には嬉しくて卒倒するかも…)
 
【ブルネイで数少ない近代的なコンドミニアム】


 
ブルネイの、「田舎で裕福」という特徴は、私からみて、不動産プロジェクトや投資の妙味にあふれる場所に映ります。なぜなら、
・人口40万の極小マーケットなので競争相手が少ない。
・田舎ゆえ建物のデザイン・施工レベルが低いので、少しマシなクオリティを供給できればたぶんマーケットで勝てる。
・国民の平均所得が高いのでエンド価格が結構高く取れる。
・産油国らしくインド、フィリピンの外国人労働者を月3~4万円で働かせているので、建築コストは安い(坪20~30万円、マレーシア・タイ並みか)
・平均所得が高いので家賃も結構取れる。
・いまブルネイの経済状況が良くなく、不動産価格も底に近いので、物件を安く買えるチャンスが大きい。
・物件が安く家賃が高いため、賃貸利回りも7~9%くらいは普通に出る。
 
【ブルネイのショッピングセンター…マレーシア地方都市に酷似】


 
しかも、産油国で税金が非常に安いというのも、不動産オーナーには嬉しいですね。
・所得税無いも同然(年収8000万円以上でようやく税金かかる、みたいな世界)
・購入コストが非常に安い(印紙税のみ、収入印紙代くらいの出費)
・保有コストが非常に安い(国税なし、オーナー出費は地区で必要な清掃費用くらい)
・売却コストが非常に安い(キャピタルゲイン税なし、かかるのは仲介手数料くらい)
ブルネイで不動産を持つと、同国の通貨「ブルネイドル」資産になりますが、現時点でブルネイドルはシンガポールドルと等価であるため、「実質シンガポールドル資産」といえます。
権利関係に関しては、東南アジアの多くの国と同様、外国人個人名義で土地は持てませんが、区分マンションやタウンハウスなら所有できます。その場合、「60年か99年の借地権(Leasehold, Strata Title)」で、「謄本(Deed)」も発行されます。
ブルネイで土地を買って建設事業あるいはランドバンキングをする場合は、100%外資のブルネイ法人を設立するのが基本です。税金がほぼない国なので設立費用も法人維持費用も非常に安いです。
 
ブルネイ不動産投資の主なリスクや不便な点について、
・キャピタルゲインは現時点であまり期待できません。ブルネイ経済がゼロ成長に近く、人口増加も少なく、開発のスピードも遅いので値上がりが期待しにくいマクロ状況です。
・他の東南アジア諸国と同様、新築嗜好が強く、そのため建物は経年すると減価しやすいです。施工レベルが概して低いので、中古物件を買う場合はクオリティに注意が必要。
・外国人に対するブルネイ金融機関での融資は使えません。
 
最後に、私がいま考えているモデルは、次の通りです。
・日本のデベロッパーか大口個人投資家にブルネイで住宅開発してもらう。
・それでできた区分マンション・タウンハウスに99年リースのStrata Titleで、8%前後利回りの出る商品として売り、長期保有してもらう。
 
これからちゃんと準備して、セミナーや勉強会というかたちで紹介していきます。お楽しみに。

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