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【ブログ】旧西独vs旧東独の経済格差

こんにちは国際不動産エージェントManachanです。いつもご愛読ありがとうございます。今回はいま私が出張で来ている「ドイツ」の話題でいきますね。

ドイツの首都にして、最大の都市は「ベルリン」ですが、この街は世界の大都市のなかても数奇な現代史を経験しました。

1945年にヒトラー率いるナチスドイツ敗戦により、ドイツ国は東西に二分されました。アメリカ主導で資本主義国として再出発した西ドイツ(ドイツ連邦共和国)は、「ライン川の奇跡」と呼ばれる経済復興を遂げ、わずか数十年で世界有数の経済大国に躍進。一方の東ドイツ(ドイツ民主共和国)は、ソ連主導で計画経済を運営してきましたが、経済力や所得水準、産業技術や企業経営の面では西側から大きく立ち遅れてしまいました。

その頃、首都ベルリンがどんな状態だったかというと、地図を見れば分かりますが、東ドイツ領のなかに囲まれていました。とはいえベルリン自体は、資本主義体制の西ベルリンと、社会主義体制の東ベルリンに二分され、その境界に「ベルリンの壁」が建設され、人々の行き来は厳しく制限されていました。

当時は、「東ベルリンが東ドイツの首都」。「西ベルリンは、西ドイツのなかで最大都市(でも地理的に孤立)」という位置づけでした。

資本主義と社会主義の違いによる、東西経済格差が誰の目にも明らかになった1989年に、「ベルリンの壁」が崩壊。翌年、事実上西ドイツが東ドイツを吸収する形で、ドイツ統一が成就、首都はベルリンに定められました。それから30年近く経ち、東西ドイツの経済格差がどうなったかいうお話をしますね。

マクロでみれば、東西ドイツ間の格差は縮小しつつありますが、現時点で格差はまだあります。見にくい表で恐縮ですが、2015年時点で

・旧東独地域の一人あたりGDPは、旧西独の71%
・旧東独地域の一人あたり可処分所得は、旧西独の82%

もっとも統一直後は、GDPも可処分所得も、東独地域は西独地域の40%以下でしたから、そこから見れば徐々に改善してきてはいます。今日でも、旧西独地域の住民は連帯税(Solidaritätszuschlag)という税金を連邦政府に払い、それが旧東独地域のインフラ整備や失業者の年金原資に充てられており、「西が東の経済を支援する」状態は変わっていません。

ドイツ統一は西側の住民には「税負担」というかたちで、一方で東側の住民には「人口流出」というかたちで、それぞれ大きな負担になりました。経済格差を大きく残した状態で国家統一、住民の移動が自由になった結果、東側の住民が良い給料、良い暮らしを求めて、大挙、西側に移住し続けたのです。その結果、

・旧西独地域の人口、統一時から4%増加
・旧東独地域の人口、統一時から14%減少

とはいえ、統一後20数年経って、「東から西への人口流動」の時代はようやく終わりました。2014年は、統一後はじめて、「西から東」への人口流動が「東から西へ」を上回りました。主な原因は、旧西独地域から首都ベルリンおよび周辺地域への大規模な移住です。ベルリンは首都なので仕事が豊富にある上、かつ旧西独地域より家賃はじめ生活費が安いのです。

つまり、(ベルリン全体を旧東独という前提で言うなら)ベルリンが東側で独り勝ちして、今や西側の人口を惹きつける程の発展を遂げているのです。その他の旧東独地域で、人口が増えているのは第二の都市ライプチヒ、ドレスデン位で、その他の地域は人口流出が止まっていません。

日本に例えていえば、「九州全体の人口は減少」、「でも福岡市やその周辺だけは人口増加率全国一で、首都圏からも移住してくる」のと似ていますね。

私は首都圏出身で福岡市に住んだことがありますが、福岡暮らしの魅力のひとつは「(首都圏と比べた時の)家賃や物価の安さ」でした。これは旧西独地域の人間にとってのベルリンの位置づけと似ています。ベルリンは、半分が旧東側だった歴史を引きずっている関係で、ミュンヘンやフランクフルト、ハンブルクなど旧西独地域の大都市より所得水準が20~30%低く、その関係で生活費も安めなのです。

次に、都市力という意味で東西を比較すると、ドイツの経済を引っ張るトップ7都市(Major 7)のうち、6つを旧西独の都市が占めています。東側でランクインしているのはベルリンのみ。

旧西独:ハンブルク、デュッセルドルフ、ケルン、フランクフルト、シュツットガルト、ミュンヘン

旧東独:ベルリン

航空網をみても一目瞭然で、ドイツの3大空港は、フランクフルト、ミュンヘン、デュッセルドルフと、全て旧西独にあります。いずれも都市周辺の経済力が高く、ビジネス需要が旺盛なのです。一方でベルリンは、テーゲルにしろテンペルホーフにせよ、まだ空港が小さくて、フランクフルト辺りからみると田舎空港の趣きです。2020年にベルリン・ブランデンブルク国際空港が完成すれば、また状況も変わってくるのでしょうが…

なお、旧東独地域の都市からみると、ベルリンは「仰ぎ見るよな大都会」、「全てにおいて別格」の都市という位置づけになるようです。第二の都市ライプチヒも人口60万人いて、「ネクストベルリン」と呼ばれる程、発展が期待される都市ですが、そこに住む友人がこう言ってました。

「ベルリンは旧東独とはいえないよ。だって、半分がもともと西側なんでしょ?」

「デュッセルドルフとかミュンヘンとか、旧西側の都市は、お父さんやお爺さんの世代からずっと裕福だったんだよ。でも我々東側の人間は、社会主義で財産全部取られた状態で出発してるでしょう?格差あるのは当然だよ!」

 

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